大袈裟な前フリに始まるみたい
さぁ、今宵集まり頂きましたのは、我が一族にまつわる、恐るべき話をせんが為。拙い話ではございますが、最期までお聞き届けくださいませ。
そう、あれは窓から差し込んだ、紅の夕闇が照らす日、ひたすら呟き錯乱状態に陥っておりました。外は暗い、でも帰らぬ彼。四方八方手を尽くすも、如何せんどうしようもなく、不覚にも泣き寝入り。あの人が帰って参った。
嬉しさのあまり…なんだクソつまらんぞ?いや、大層大袈裟な前フリに始まり、聞いておれば帰るの遅く泣いてたら戻り、で…オチは?
盛り上がる場所どこ?一族の恐るべき部分は?自分がお仕えする若奥様の戯言。そう、自分はバイトで若奥様へ所属。くだらん内容ばかり聴かせられウンザリだが、これでお金を貰う。
だから「連絡ない事は大変恐ろしく、耐え難き時間だったんでしょうね。流石!良妻賢母ですわ!」と美辞麗句を述べ、あぁ辛いなぁ。